相続遺言判決実例集…(東京地判・昭和54年2月16日判時940号73頁)


  • (東京地判・昭和54年2月16日判時940号73頁)
 

(東京地判・昭和54年2月16日判時940号73頁)


 (東京地判・昭和54年2月16日判時940号73頁)

「亡Aは預託金ではなく,入会金を納入して被告に入会しており,そのうえ,これまで被告に預託金を納入して入会した週間会員もいないから,被告の週間会員たる地位が原告主張のごときいわゆる預託金型会員制のゴルフ会員権と異なることは明らかであり,また,正会員の場合のように訴外会社の株式保有が地位取得の要件となっていないから,原告主張のごときいわゆる株主型(株式会社型)会員制のゴルフ会員権と異なることも明らかである。そして,週間会員は,特別会員や正会員のように社団たる被告の楢成員(団体員)でもないから,その地位がいわゆる社員型(社団型)会員制のゴルフ会員権と異なることも多言を要しない。結局,被告の週間会員たる地位は,被告の定款,細則等の定めるところによる被告のゴルフ場施設の優先的利用権と年会費その他の負担金の納入義務を包括する権利義務関係に尽きると解されるところ,被告がゴルフを通じて会員相互の親睦を図ることを目的とするゴルフクラブであることよりすれば,右のような週間会員の地位の相続性の有無は,被告の自主的内部規範たる定款に特別の定めのあるときは,それによるべきはもとより当然である。しかるところ,被告の定款には、設立当初よりその12条において,会員たる資格の消滅事由として,会員の「死亡」が掲げられており,右規定は,会員相互の信頼関係を基本とする親睦団体たる被告の性質に鑑みて,被告の会員たる地位の一身専属性(民法896条但書)を定めたものと解するのが相当であり(最高裁昭和53年6月16日第二小法廷判決,判例時報897号62頁参照),現に,被告は,右規定の実際の連用としても,設立当初よりこれまで会員たる地位の相続性を認めていない(正会員については,訴外会社の株式が相続の対象となるため,その相続人が新たに正会員として入会を承認された事例は多いが,それが正会員たる地位の相続による承継と異なることは,前認定の事実関係より明らかである。)。……以上の次第で,被告の週間会員たる地位は一身専属的なもので,相続の対象にはならないと解するのが相当である。」

 


 

 


 

 
相続遺言判決実例集