相続遺言判決実例集…(大阪地判・昭和45年2月14日下民集21巻1.2号323頁)


  • (大阪地判・昭和45年2月14日下民集21巻1.2号323頁)
 

(大阪地判・昭和45年2月14日下民集21巻1.2号323頁)


 (大阪地判・昭和45年2月14日下民集21巻1.2号323頁)

「共同相続人が共に単独承認をした場合でも,共同相続人の一人が遺産分割の成立するまで他の共同相続人のために事実上相続財産を管理している場合が多く,これが僭称相続人の場合と異り,共同相続人の一人が当該相続財産を独立して使用収益(少数持分権者でも自己の持分によって共有物を使用収益する権限を有する)していても,当然他の共同相続人が右財産の引渡を求めることは許されず,一般に相続人間に親子,兄弟等の身分関係があるため,その他の共同相続人が遺産分割が行なわれるまで一方の共同相続人の右使用収益につき黙認乃至許容している場合が往々あり,後顧の憂いがないからこそその共有持分権を安心して放置していることがあり得ないわけではないから,この場合『相続権を侵害された事実を知る」とは単に共同相続人の一人が他の相続人を排除して相続財産の一部又は全部を管理収益しているだけでは特段の事情のない限り不十分であって,共同相続人の一人が無断で個々の具体的財産を自己の単独名義に登記したとか,これを第三者に売却処分したとかして,他の相続人の特定の共有持分権を現実に侵害したことが明らかな場合に,これを知ることであると解すべく,又相続財産の一部につき共同相続人の一人によって単独登記がなされ,これが他に転売されたからといって,直ちにその余の相続財産の共有持分権までが侵害されたことにはならないし,相続財産の一部につき遺産分割が行われたり,又右一部の処分につき他の共同相続人の同意が得られることもあるから,右侵害の有無は個々の具体的財産毎にこれを知ることを要し,抽象的に自己が共同相続人の一人であることを知るだけでは足りないと云うべきである。」

 


 

 


 

 
相続遺言判決実例集